00120 顧客層の急速な変化
 

 第2次大戦以前、ミュージアムは上流階級のものでした。しかし大戦後、ミュージアムに行くことは中産階級の新たな趣味となっていきます。各地に、しだいしだいにミュージアムが現れるようになります。その結果、じつに大勢の人たちが、アートを楽しむようになりました。こうして戦後、ミュージアムをめぐる顧客層の構造に、変化が現れはじめます。

 このような美術愛好家の急速な増加をイノベーションの機会ととらえた、ひとりの青年がいました。彼は、ミュージアムに勤務していました。そして、本人にとっても意外な分野でイノベーションを実践することになります。その分野とは、損害保険でした。

 彼は、ミュージアムや美術品収集家を対象とする保険代理店をつくります。それまで、美術品に対する保険に乗り気でなかった保険会社が、彼の専門能力を信頼して、保険を引き受けました。しかも、それまでの保険料と比べ、最高70%も安く保険商品を提供し、この新たな分野で需要を創造していくことになります。


関連情報:
       ◉ 需要イノベーション (ARCHIPELAGOs 00006)
       ◉ 2人のイノベーター vol.1 (ARCHIPELAGOs 00106)
       ◉ 2人のイノベーター vol.2 (ARCHIPELAGOs 00107)

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