「ナラティブ」という言葉には「物語」と「物語り」という2つの意味が含まれています。送り仮名をつけて「物語り」にすると、動作をあらわすようになって、物語を語る行為を指します。ストーリーではなく、ナラティブと言うことで、もっと動的な語感が出ます。
語り出すこと(物語の誕生)、語りつづけること(物語の継承)、語り合うこと(物語の共有)、語り直すこと(物語の刷新)、どれも「物語り」であって、時代時代の語り部たちによって、物語の発生・形成・派生・混成・再生が左右されてきました。「ナラティブ(narrative)」という用語によって、〝物語〟という語られたもの(story)と、物語を語ること(story-telling)、この両面を同時に表すことができます。
関連情報:
◉ Becomingとしての人間 (ARCHIPELAGOs 00091)
◉ エンパワリング (ARCHIPELAGOs 00004)
◉ 方法としての「対話」 (ARCHIPELAGOs 00127)
◉ ナラティブ・アプローチ (ARCHIPELAGOs 00137)
◉ まっすぐ歩けない人間たち (ARCHIPELAGOs 00117)
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