物語的動物としての人間
「物語」は、わたしたちの発想と行動を方向づけています。資本主義も経済成長も「物語」であり、あるいは学問も宗教も、また民主主義も独裁主義も「物語」です。人間もその環境も「物語」によって構成され、条件づけられています。ですが人間は、危機のとき飛躍のとき、「物語」を点検し、未来にかけて新しい「物語」をともに創り出し、自らの発想と行動を新しくする、そんな卓抜した知性を備えています。

ほんとうにすぐれた「物語」、新しい「物語」は、わたしたちを「イメージの囚われから解き放つ」(G. バシュラール) 働きをもっています。いつの間にか身につけてしまう既成概念や社会通念とは、どれも凝り固まったイメージの数々です。すぐれた「物語」には、それらを刷新する、きわめて創造的な働きがそなわっています。なにかを思い起こすためにも、新しい現実を創りだすためにも「物語/物語り(narrative)」を大いに活用してください。

     “ 新しい物語を語ること、それが折々に変化を産みだすことになるのです ” 
             ジェーン・グドール( Jane Goodall, Primatologist )




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