1960年代に入ると、マーケティングが企業の社会的責任に関わる領域にもコミットすべきだとする主張が登場する。W.レイザーはその代表格だ。豊かな社会におけるマーケティングは、広い社会的コンテクストの中に置かれなければならないと説いたのである。1960年代後半以降盛んになった消費者運動、環境保護運動、資源・エネルギー節約運動、市民権運動などを背景に、社会の中の企業を問う論議が活発になったのである。