どんな書物も、他の書物と連鎖しています。たとえば、M.モースの『贈与論』が、K.ポランニーの『経済の文明史』と連鎖しているというように。そしてどんな書物も変身していくもので、16年後にあらためてひもといた書物、他の書物との関連のなかで解釈された1冊は、それまでとは異なる、多様な意味解釈を喚起してくれます。この「連鎖と変身」のなかに生きる1冊の書物は、こちらの関わり方次第で千の顔をもち、たえず異なる相貌を見せることになります。1人と1冊の関係だけでも、これほどまでに多様なのですから、2人で1冊の書物を読み合うとなれば、そのテクストは幾千もの表情をみせてくれることになります。
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